おすかわ平凡日常記

整え続ける日々

2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「自分なりの現実」しかない

一言で現実を呼ばれるものを理解するのは、やさしいことではない。世界の現実とか世の中の現実などとあっさり言うが、そこには事象の断片が散らかっているだけだ。とりとめもない現実のなかで、一人ひとりの人生も散漫になっていく。 辺見じゅん『収容所から…

道義、誠、まごころ

また君達はどんなに辛い日があらうとも、人類の文化創造に参加し、人類の幸福を増進するといふ進歩的な思想を忘れてはならぬ。偏頗で矯激な思想に迷ってはならぬ。どこまでも真面目な、人道に基づく自由、博愛、幸福、正義の道を進んで呉れ。 最後に勝つもの…

自分は正しいという大前提の下

漱石の如きは四十二歳の時、 『小生はこれまで神仏など信じた事は無き之候。唯自分といふのだけを信じて暮して居り候。所が近頃その自分といふものがつくづく当にならぬことに気がつき申候。この上は何を信ずべく候』と述べた。後になって学者の間では『之こ…

結局、温かさ

「野本さん、釈迦はね、世界最大のセンチメンタリストなんだよ。キリストは詩人なんだ。ぼくはね、なんのとりえもない凡人だけど、どんなときでもセンチメンタリストでありつづけたい。結局ね、パトスだけがわれわれ人間にとって最初の審判者であり、また最…

無色透明なものを解釈しているだけ

写生といふ事を皮相に解釈してなんでもかんでも見たままの事実を句にして万事事了れりとする初心者が多い。事実より真実へ、現象より本質へとゆかねばならぬのである。正しく言えば事実を通じて真実を、現象を通じて本質であらう。 辺見じゅん『収容所から来…

自分の世界の振り返り

他人の死は数え切れないほど見てきた。「死」の痛みにさえ鈍くなっていた。ましてやシベリアの空が美しいなどと考えもしなかった。第一、空をしみじみと眺めてみるような心の余裕などなかった。不思議な人物もいるものだという驚きとともに、「そうか、シベ…

大事にすることは楽しいこと

お客さんを喜ばせる、困った人を助ける、これは一言で言えば他人を愛するということだ。でも、僕たちにとって愛は、それを口にするのも恥ずかしいくらい「道徳的」で、「しなければならないこと」になっている。だからこそ多くの人は、人を愛することを「楽…

やっぱり心なんだよな、まじで

お金持ちになるか、貧乏のままでいるか、それは心が決めるんです。心が変わって、行動が変わって、その結果が世界に反映されます。 お金で買える喜びはすべて――素敵な服も、おいしい食べ物も、優雅な部屋も、豪華な旅行も――他人が作ったものです。でも、どん…

「価値のある人間」を演じながら過ごしている

「『いい人』というのは、他人を喜ばせるのではなく、他人から嫌われたくないという気持ちから自分の欲求を抑えつけてしまう人です。でも、そういう人が何かを手に入れることはありません。なぜなら――自分の欲求を抑え続けることで、どんどん『やる気』を失…

無意識の内にやってしまっている悪癖

「(略)お客さんを励ますためにやってるんだけど、自分を励ましているみたいな感覚というか……」 幸子さんはうなずいて言った。 「実は『他人に対する言葉や行動は、自分に対する言葉や行動』でもあるんですよ」 「え? どういうこと?」 「たとえば、貧乏の…

否定して逃げるから不安が生じる

不安になったとき、僕はすぐにそこから逃げだそうと考えてしまう。でも逃げようとすればするほど不安は大きくなっていく。 そうではなく、思い切って不安の中に飛び込んで自分のできる限りのことをしていると、不安はまるで幻だったかのように消える瞬間があ…

私たちの多くの努力は人を見下して優越感を得ることに注がれている

人をホメる人でも貧乏な人はたくさんいますよ。たとえば相手をコントロールしたくておべっかを使ったり、ただ嫌われたくないという理由だけで人をホメる人は貧乏な人が多いですね 水野敬也『夢をかなえるゾウ2』 自分が発する言葉、行動、その根底には何ら…