日常
世界の真相を洞察した聖人は、「無為」「不言」の行動に従ってあるがままに自然である。 「無為」は「為すこと無し」であるが、何もしないことではない。ことさらなわざとらしいことをしないで、自然にふるまうこと、人間としてのさかしらの知恵やかってな感…
子供は「いいこと」と「悪いこと」という言葉を覚えるようになる。いい子でいれば――また、いい子でいるときだけ――いつでも完全に受け入れてもらえる、ということを学ぶようになる。こうなると子供は、母親からの愛や受け入れを自分の力で獲得しなければなら…
世俗の生活の中で、私欲にとらわれて現実の利害にふりまわされているのが、われわれである。起伏の多いその波間にゆられて喜んだり悲しんだり、しかしその水底の静かな深みを知るものは少ない。 われわれが日常生活のなかで認識する価値概念はすべて相対的な…
邪悪性はとくに次のような特性によって識別できる。 (a) 定常的な破壊的、責任転嫁的行動。ただしこれは、多くの場合、きわめて隠微なかたちをとる。 (b) 通常は表面に現れないが、批判その他のかたちで加えられる自己愛の損傷にたいして過剰な拒否反応を示…
精神的に最も健全かつ最も高い域に到達している人が、普通の人が経験する以上の苦悩に苦しむことを要求されることは多い。偉大な指導者というものは、賢明かつ正しい人間であるならば、普通の人間にははかり知ることのできない高度の苦悩に耐えていることが…
新聞やテレビがニートを問題にするとき、「生涯で得られる収入の差が正社員とアルバイトでは二億円になる」とかそんな金の話ばっかしているが、人生の意味や価値を金に換算しようとは思わないからこそ、プー太郎という人生を選んだのだ。そもそも人生の時間…
「偉大な」人たち――その偉大さが善に向けられていようと、悪に向けられていようと――を特徴づけているものは、そのきわめて強力な意志だと私は考えている。(中略)キリストの意志はその父である神の意志であるが、ヒトラーのそれは彼自身の意志である。その…
悪は世界を薄っぺらい記号の集まりとしか考えない傾向が強いけれど、善はこの世界が記号の集積でなく、存在する一つ一つにいっぱい内実がつまっていてそれらはどれも取り替え不可能であることを知っている。悪は世界を薄っぺらな記号としか思わないから、世…
世界にはびこる苦しみや悲しみの半分以上は、自尊心に対する些細な攻撃や侮辱を受けたり、虚栄心を傷つけられたりすることがきっかけで生まれているのだ D.カーネギー『道は開ける』 ここで言う「自尊心」や「虚栄心」というのは、自分が「自分はこうでなけ…
この種の人間は、治療によって自分の心に光を当てられることをなんとしても避けようとするものである。 自分自身を照らしだす光や自身の良心の声から永久に逃れつづけようとするこの種の人間は、人間のなかでも最もおびえている人間である。彼らは、真の恐怖…
「あなたにそうした症状が現われる原因のひとつは、そうした症状が煙幕の役割を果たしているからです」私は彼に説明してやった。「自分の強迫観念や強迫衝動について考えたり話したりしていれば、その原因となっているもっと根本的な問題を考えずにすむから…
愛のない育てられ方をした子供は、自分が人に愛されない人間だと信じこむようになる。これは、「親の愛に著しい欠陥があるときは、子供は、その原因が自分自身にあると考えて反応する可能性がきわめて高く、そのため、非現実的なまでに否定的な自己像を身に…
基本的には、あなたは一種のひきょう者です。状況がちょっとでも厳しくなると、すぐに裏切りをはたらくようなことをします。自分がいつかは死ぬという現実に直面すると、あなたはその現実から逃げ出してしまいます。『ぞっとする』と言うだけで、それについ…
あなたの症状は、あなたが死について考えているからではなく、死についてどういう考えをしているかが原因となっていることです。 M・スコット・ペック『平気でうそをつく人たち』 死というのは人間が諸行無常の理に便宜的にレッテルを貼っているものでしかな…
少し前から休日の過ごし方を若干変えてみた。 やること自体は特に変わらないのだけれど、リズムを変えた。 朝は平日と大体同じ時間帯に外に出て近所のマックへ行き、読書なりブログなりをするようにした。 起床 散歩 冷水シャワー ブログ これが朝のルーティ…
解けたからわかる。 私が突き付けられているような気がしていた普遍的な議題――たとえば「独身と結婚しているのとどちらがいいのか?」「仕事と家庭のどちらを優先すべきか?」「子どもを持つべきか持たないべきか?」――そもそもの問いが私の人生の重要な議題…
「つまらない時間だった」と思ったことはなかったが、人と会って本を紹介することに少しずつ慣れ、いつしか同じことの繰り返しだと感じるようにもなっていた。 花田菜々子『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間の…
別居している夫とのことで沈むような出来事が起きてもいた。それは黒いしみのように心の中に広がり、心の中に流れていた楽しい音楽を消していく。またにぎやかな世界にするためには、詰め込んで詰め込んで、楽しいことの濃度を上げていくしかない。上から塗…
「思ったことに正しいとか間違っているとかはないんですよ。他の人が顔をしかめるような価値観や、変なことでもいいんですよ。だってそれが菜々子さんの、やっと顔を出してくれた本当の思いかもしれないですから」 花田菜々子『出会い系サイトで70人と実際に…
最近始めた「整え活動」は以下のとおり。 1 ドライヤー習慣 2 体の保湿習慣 3 湯船習慣 1 ドライヤー習慣 私は短髪ということもあり、入浴後はタオルで髪をガシガシと拭き、あとはそのまま放置、という江戸っ子スタイルだったのだけれど、濡れた頭部をタ…
それにしても、楽しい一日であった。日本にいてはなかなかできないことだが、自分が誰かを周囲の人がほとんど分からない中で、プライベートに、自分のペースで、自分の好きなことを行える時間は大変貴重であり有益であった。 再びオックスフォードを訪れる時…
そもそも「私」がどう思うか、なんて発想は微塵もなく、何も考えず、書きたいから書いて、送りたいから送ったのではないか。悪意があるよりも、その方がずっと怖い。そこに人格を持った「私」はいない。 私に藤沢さんを責める資格があったのだろうか。ずっと…
つい最近、後輩が湯船に浸かりはじめたという。 これまでは基本的にシャワーで済ませていたけれど、実家から入浴剤が送られてきたため、それを使うために湯船にお湯を張って入浴したらしい。 すると、最近寒くなってきたこともあるけれど、ものすごく気持ち…
「しかし、実際には私は何もしていません」ジョージが声をあげた。「(略)私は何もしていません。だれにも指一本触れていません。」 「しかし、あなたは何かをした」私はこう答えた。 「何をしたっていうんです?」 「悪魔と契約した」 「しかし、あれは何…
日々の口腔ケアとして、歯ブラシだけではなくフロスも使うようにするとすごく整いやすくなる。 これは歯科医の人が言っていたのだけれど、どんなに高性能な歯ブラシと歯磨き粉を使っても、歯磨きは60%しか完了しないという。 歯というものを便宜的に立方体…
愛に条件をつけたりするとき、相手は「人生の基礎的な法則」に違反する気持ちになる。相手を反応的かつ防衛的な立場に追い込むと、相手は、自分が価値のある人間であること、自立している人間であることを証明しなければならないと感じるようになるからであ…
すごい服のブランドを見つけた。 それはTARROW TOKYO(タロウトウキョウ)というブランドで、「服が長く大切に着てもらえる世界を作りたい」というビッジョーンを掲げている。 tarrowtokyo.jp 実に素晴らしいと思う。 作っている服も日本製でシンプルで上質…
今年分のふるさと納税が終わった。 私のふるさと納税は日々の主食の玄米に限られていて、今年最後のふるさと納税も玄米にした。 私の近所のスーパーには玄米を5キロ単位で扱っているところはなく、それにあったとしても買い物が大変になるだけなので(私は…
意味のないものに幾重にも意味を付け加えてしまうあやまちを、今まで何度繰り返してきたことだろう。 ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』 私たちが普段接しているものや見ているものそのものは本来無色透明のものなのだけれど、私たちはそれらに自分なりに…
幸福というのは、大事にする習慣を身につけて大事にし続けることができる状態になることと定義することができる。 ここで言う「大事にする」というのは以下のようなことを指す。 整える ちゃんと見る ちゃんと聞く ちゃんと使う 温かく接する 丁寧に接する …