日常を整える上では当然のことながら日々の習慣が大事になるのだけれど、では具体的にどのような習慣をやめていき、どのような習慣を採り入れていけばいいのか、その際の有益な参考となったのは、男磨き系のYoutubeチャンネルであった。
国内外を含め男磨き系のチャンネルで紹介されていることは以下のとおり。
・短期的快楽を避ける(ネット、スマホ、ジャンクフード、ギャンブル、ポルノ等)
・良質な睡眠を十分にとる
・良質な食事を十分にとる
・程度な運動を行う
・そうして整った状態で朝に自分が集中してやりたいことをやる
もちろんYoutuberによってやり方や組み合わせ方は多少異なるが大枠は以上のものだ。
私も自分の日常生活を見直すにあたり、しかと参考にさせてもらい、とても有益な情報を得ることができて感謝している。
おかげで短期的快楽を意識的に避けるようになったし、良い感じの朝の習慣を得ることができたし、睡眠や食事にもより気を使うようになった。運動を続けるモチベーションにもなった。諸々が整った状態で朝にブログを書くようになり、ブログをアップロードする回数も格段に増えた。
だがしかーし、自分磨き系チャンネルを視聴するにあたり注意するべき点もある。それは日々のモチベーションが「他人を見下す」ことにならないようにすることだ。あくまでもその手のチャンネルを見る目的は自分を整えるための有益な習慣を知ることを目的にしたほうがいい。
同じ一つの習慣であっても、それが自分を大事にすることを目的としているのか他人を見下すことを目的としているのかで自分の世界の捉え方、自分の苦しみの度合いは大きく異なってくる。
睡眠食事運動を通じて自分を整え、生産性を高め、金を稼ぐ、あるいはボディメイクをする、あるいは資格を取得する等々、すごくいいと思う。しかし、それら一連のことを通じて「おれは上位〇〇%の男」「おれは下位〇〇%の奴らとは違う」「おれは上の存在」というように結局のところ優越感による高揚感を幸福と勘違いしているままだと、依然として上下の世界に囚われたままで、精神衛生上よろしくない。
優越感というのは勝ち負けが根底にあるものだから、今このときにあなたが優越感に浸ってとても満足しているとしても、明日になったらあなたは敗北感とともに勝った人をみているかもしれない。優越感というのは敗者があって成り立つものなのだから、つねに敗北する恐怖に脅かされている状態であって、気持ちが深く安らぐことはない。そのような状態を幸福と呼べるだろうか?
このような理屈に同意するのは、すでに「優越感」と「幸福」の違いがわかっている人だけなのだ。
(保坂和志『人生を感じる時間』)
無論、私もいまだに優越感や上下の世界に囚われたままではあるが、私が物事を見るときのモノサシにしている仏教からしてもそれはよろしくない。優越感や上下の世界に囚われているということは、他人を粗末にすることを前提としていて、他人を粗末にするということは自分を粗末にするということで、自分を粗末にすると当然自分に苦しみをもたらされることになるからだ。
人よりも価値のある人間にならなければいけない。
人よりも優位な立場にならなければいけない。
日々、優越感を得続けられるようにならなければいけない。
このような強迫観念で日々無理をしたり、ネガティブな感情を起こして苦しんでいる人は多いのではないかしらん。その手の強迫観念に駆られて自分磨きを始める人も多いのではないかしらん。
短期的快楽を避ける、睡眠や食事を整える、日々運動をする、これらは無論とても大切なことなのだけれど、金や地位や名声を得て優越感に浸るために睡眠や食事に心がけると、求めているものが手に入らなかった時に、こんなことをやっても意味がないとして良い習慣をやめてしまい、その結果、乱れっぱなしの生活を送りかねない。
金や地位や名声や美貌や才能等があろうとなかろうと、とにかく自分は大切。
その自分を大事にするために自分を整える習慣も大切。
大事な自分を大事にするための習慣をただただ続けていく。
ただそれだけなんだよな。