おすかわ平凡日常記

整え続ける日々

贅沢の種類

私は日々の生活の中で、整理習慣を意識していて、使わないものは捨てることを心がけているのだけれど、そういう習慣があるからと言って禁欲的な生活を送っているわけではなく、欲しいものはきちんと買っている。

 

今現在、欲しいと思っているもの、買うことになるものを列挙し、がらんどうの脳髄を整理してみる。

 

・冬用の下着(上下)

・仕事用のセーター

・革靴

・ウィンドブレーカー

・掛け布団

・コート

スマホ

 

まぁ、こんなものだろう。

 

どれも長期間使ってきたためにそろそろ替え時を迎えようとしているもので、それらは私なりに十分使ってきたので、新しいものを手に入れ次第すぐに手放すことができる。

 

整理を習慣にしていくと、ものの入れ替えのタイミングくらいしかものを買わないようになってくる。

 

基本的に、確実に使い切ることのできる量のものしか持たないようになり、それがなくなれば補充する。少ないものを高頻度で使用して、十分に使い古し、然るべき買い替え時が来れば買い替える。

 

そして買い替える時に自分にとって少し良いものを買い、それらを日常に落とし込んでいくことが私のささやかな楽しみになっている。

 

最近だと、拭き掃除をする際に使用するウェットシートを少し良いものに替えてみた。

 


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これまでは近所のドラッグストアのプライベートブランドみたいな感じのニュアンス的な雰囲気の30枚で200円くらいのウェットシートを使っていたのだけれど、ユニ・チャームの「ウェーブ超保水」に替えてみた。16枚で400円くらいだ。(会社の後輩に勧められたのだけれどおすすめ)

 

あるいは、100均のスポンジで済ませていたものを300円くらいのスポンジに替えてみたり、ユニクロで済ませていた下着をグンゼのものに替えてみたり、サラダ油をオリーブオイルに替えてみたり。実際に少し良いものに替えて、それらを実際に使っていくことが日々のささやかな楽しみになっている。

 

替えたからといって別に自慢にもならないし、人から称賛されるわけではないけれど、「きちんとした質のものを使っている」という実感を自分に与えてくれるもの、使う度にしみじみと、これいいどすなー、と京都人でないにも関わらず京都風に自分に思わせてくれるものに買い替えてみる。そしてそれを使う。この種の楽しみはわかる人にはわかると思う。

 

この種の贅沢をしたところで、日常生活は破綻しない。それは大事にするための出費、大事にするための贅沢だからむしろ日常生活はいい感じになる。何かをする度に大事なもの、お気に入りのものを使うことになるので、ささやかな楽しみが持続しやすい。

 

もちろん大事にするための贅沢のためにお金はかかるが、その額は微々たるものだ。ドラッグストアのプライベートブランドの1枚15円のウェットシートからユニ・チャームの1枚25円のウェットシートに変えたところで、生活は破綻しない。ユニクロの下着からグンゼの下着に買い替えたところで生活は破綻しない。サラダ油をやめてオリーブオイルを使い始めたところで生活は破綻しない。大事にするための贅沢をしたところで、基本的な日常は微動だにしない。

 

日常生活を破綻させるのは人を見下すための出費、日常的に使わないものへの出費だ。人を見下すためには周囲の人間がそう簡単には手を出せないような圧倒的に高価なものを手に入れる必要がある。よって、1枚500円のウェットシート、1着1万円のハイブランド下着、600mlで5000円のオリーブオイルに手を出し、ろくに乗りもしない車に手を出し、使わないスペース満載の部屋に住み、履きもしない靴や着もしない服を延々と買い集める生活を始めてしまうと私の日常生活は跡形もなく破綻するし、ネバギバの精神で持続できる期間があったとしても、心は平穏からはほど遠い状態であることは間違いない。

 

自分に対して贅沢を禁止するつもりはさらさらないが、その贅沢が日常生活に持続的なささやかな楽しみをもたらしてくれるぜいたくなのか、人を見下して優越感を得るための贅沢なのか、そのあたりはきちんと見極めてハッスルマッスルしていきたい。